2015年9月、河北省刑台市開元寺東側にある邢台博物館の敷地内より、漢代の残碑が発見された。全文で百余字の断碑だったため、碑名が欠損していた。そこで首行に刻まれている「封邰」により命名された残碑。先行文献に拠れば、その書風は〈熹平石経〉〈張遷碑〉に近似しているというが、逐一比較してみると、けっしてそれだけに留まらない結論が得られた。つまり、①碑面の文字の配列スペースが特殊であったこと、②〈張遷碑〉と同様に、特異な字形・字体を用いていること、③これまであまり見られなかった奇抜な造形感覚であること。などを指摘することが出来た。