2016年夏以来、コンサート等のチケット転売問題が社会的な注目を集めている。音楽業界の収益構造における収入源の主力が、CD・レコードの販売や音楽配信などからライブ・コンサートに移行しつつある現在、チケット高額転売問題は、音楽業界が業界をいかに成り立たせ、新たな才能の発掘や音楽環境の整備など、将来に向けてどのように持続可能性を高めていくかという問題と直結している。このため、社会的公正の観点から、供給者(コンサートの主催者)の側で需給のバランスをどう取って極端な需給ギャップが生じないようにするための適切な制度設計が望まれる。