本稿では、江東区文化コミュニティ財団と彩の国さいたま芸術劇場の活動を例として、指定管理者業務を担っている地方自治体出資・設立の財団にとって、どのような価値の創造が求められているのかを考察し、地域の文化資源の発見と活用による「文化の再創造」により、地域コミュニティをあらたに創出していくことが求められていると結論づけた。 さらに、東京芸術劇場の外部評価委員会における議論を元に、同劇場が現在果たしている「ネットワーク・ハブ」としての機能に注目し、「芸術性とエンタテインメント性」のどちらも排除しないプログラミングを堅持するとともに、民・官を問わず多様な事業主体と協力・連携を進めていくことが重要であることを指摘した。