「公立文化施設の公共性をめぐって―「対話の可能性」に、共同体的価値の形成と参加の保証を見る視点から―」
文化経済学会〈日本〉・文化経済学 第5巻第3号
19頁(pp. 47-55) 公立文化施設は、従来アートの愛好家だけを対象としがちであり、公共財としてのアートという認識は一般的ではなかった。近年、ワークショップやアウトリーチなどの手法により、非愛好家に対してもアートの価値を目に見える形で提示する機会が増加している。これは、非愛好家を含む地域住民が地域文化形成への参加の保証を得ることにつながり、公立文化施設をめぐる異なる立場の対立に「対話の可能性」をもたらすものと考えられる。