「『共同財』としてのアートのあり方を考える―地方自治体の文化政策のあり方に関する考察―」
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要第8号
16頁(pp. 75-90) 財政難を理由とする地方自治体の文化予算の削減圧力に対して、文化が公共財であると強く主張するだけでは最終的な説得力に欠ける。本稿では、文化は市場財か公共財かという二元論から脱却するために、現代社会における「共同財としての文化」という視点を導入した。さらに、アートの公共性を考えるために、従前から指摘されてきた正の外部性の存在に加え、アートによる複数の参照系の保障、文化圏の形成による経済圏の視覚化などの概念を提起した。