日本の文化の振興や普及の領域において、巨大な資本を背景にした民間団体がその役割を担ってきた歴史がある。1990年代以降急速に拡大し続けてきた文化政策領域において、行政以外の主体であり、専門的な能力を有しているNPO等が台頭していきている。ただし、彼らがその能力を十分に発揮する状態になっている環境があるとは言えない。その能力を存分に発揮するのに阻害となっている要因について抽出し、民間企業や行政の機能と比較した場合のNPOの強みを明らかにし、それを踏まえておのおのの役割を明確にし、共存できる実践的で応用可能な「仕組みづくり」を検討することを目的とする。そのことを通じて、特にNPO等が、文化政策領域における重要な主体として、最前線での役割を担えるような環境整備に資する研究を行う。