SNA(国民経済計算体系)の概念である営業余剰は生産側の国内総生産から雇用者報酬などを差し引いた残差として求める。ただ、類似の概念である企業会計の営業利益を使って営業余剰を推計することは、四半期推計する場合などに有用だ。そこで、営業利益を使って営業余剰を推計する方法を検討し、推計精度を調べた。推計結果をみると、推計値は営業余剰の水準に比べて無視できないかい離があることがわかった。両者のかい離についてはさらに検討する必要がある。一方、伸び率の推計では比較的良好で、伸び率を用いた推計には妥当性があることがわかった。営業余剰とともに残差として求められる混合所得についても簡単な推計を試みた。個人事業主数を使ってある程度推計できることがわかった。