この論文では、都道府県別月次実質GDPを生産面から推計した。鉱工業生産指数や建設総合統計、第三次産業活動指数を使って推計した。推計面での工夫の一つは、第三次産業活動指数をクラスター分析によって2つに分け、それらを説明変数として、都道府県別に県内総生産の第三次産業分を推計した。また、47都道府県を足しわせた四半期値と、国の実質GDPが一致するように調整した。国のGDPが発表されていない期間についても月次指標で推計した。
その結果を、四半期別に県内総生産を発表している県の値と比較するとかなり近いものが得られた。今後の課題は、鉱工業生産指数や第三次産業活動指数を用いたよりよい推計法の検討である。