インスブルック宮廷教会の皇帝墓碑―意匠をめぐる考察―
コミュニケーション文化第8号
P.143-146。インスブルック宮廷教会身廊の神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の墓碑の意匠の特異性を、同時代の他国の為政者の墓碑との比較を通して考察した。北方の後期ルネサンス時代の意匠はネーデルランドの版画に由来する幻想的な曲線の多用を特徴とするが、本作品の場合は、作者がネーデルランド系であったにもかかわらず、イタリア16世紀の工芸に見られるような古典主義的な趣をもっていることを指摘した。