本稿の目的は、CSR概念を取り巻く多様な見解のもとで、韓国と日本におけるCSRの現状認識とその課題を明らかにすることと、それを踏まえた上で、CSRのあるべき姿について検討することにある。韓国と日本は、社会的かつ文化的環境においても同質的な部分が多い一方で異質的な部分も多い。CSRと関連した部分においても必ず同質的な側面と異質的な側面が両方存在すると言えよう。本稿では、韓国と日本のCSRに関する現状を中心にその認識と特徴を比較考察し、それに関する今後の示唆点を提示した。それは単にその実状を調べるだけに留まることなく、CSRをどのように捉えるべきかについての理論的・論理的な考察をすることにある。すなわち、世に中の一般的なCSR論におけるCSRの概念を参考にしつつ、独自の視点からの考察を試みることにするものである。