女子大学生のカウンセリングへの被援助志向性と共感性, ソーシャルサポートとの関連について

跡見学園女子大学心理教育相談所紀要

第15巻

萩原沙知、宮岡佳子。青年期におけるカウンセリングへの被援助志向性と共感性, ソーシャルサポートの関連について調べるために、質問紙調査をおこなった。対象は女子大学生408名、質問紙は、フェイスシート、大学生用ソーシャルサポート尺度、被援助志向性尺度、援助要請スタイル尺度、多次元共感性尺度から構成される。重回帰分析からカウンセラーへの被援助志向性は家族への被援助志向性下位尺度「家族への被援助に対する懸念や抵抗感の低さ」と友人への被援助志向性下位尺度「友人への被援助態度に対する肯定的態度」に正の影響を受けていた。共分散構造分析のモデルでは共感性下位尺度「他者指向的反応」と「視点取得」が家族・友人・カウンセラーへの被援助志向性に影響を与えていた。本研究から①共感性が被援助志向性を高めること、②家族への被援助志向性と家族のソーシャルサポートがカウンセラーを含めた援助者に援助を求めることの基盤となる可能性があることが示された。