月経前症候群(PMS)の心理社会的要因の研究ー母子関係と完全主義の観点からー
跡見学園女子大学心理教育研究所紀要
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内藤綾香、宮岡佳子。月経前症候群(premenstrual syndrome: PMS) は月経前の黄体期に当たる時期に現れる精神および身体症状である。ホルモン変動など生物学的メカニズムのほか、心理社会的要因の関与もあるとされる。本研究では、母子関係と完全主義とPMSの関連を調べた。318名の女性について質問紙調査を行った結果、PMSが重症な者は過去及び現在の母子関係は良好でなく、完全主義が強かった。過去の母子関係についてもPMSとの関連が示されたことは興味深い所見である。