挫折体験が青年期の心性にどのような影響を及ぼすのか調べるために、女子大学生に質問紙調査を行った。青年期の心性として、スチューデントアパシー傾向と生きがい感を取り上げた。挫折体験があると回答した者のほうが挫折をネガティブにとらえていた。挫折をネガティブにとらえる傾向は生きがい感に負の影響を与え、スチューデントアパシー傾向に正の影響を与えていた。挫折体験があると回答した者のうち、挫折体験が16歳以下と17歳以上の2群で比較検討したところ、17歳以上の者のほうが、挫折をポジティブにとらえる傾向があった。挫折をポジティブにとらえることで、生きがい感を高くし、スチューデントアパシー傾向を低くできるのではないかと示唆される。