月経前不快気分障害(PMDD)の診断と評価の実際
精神科治療学
第39巻3号
月経前不快障害(PMDD)はDSM-5‐TRでは抑うつ症群に含まれる。中心となる症状は(1)気分不安定性、(2)怒りや人間関係の摩擦、(3)抑うつ気分、(3)不安である。怒りや人間関係の摩擦が主症状である場合、精神運動抑制の強いうつ病とは異なった病状を示す点は注意が必要である。鑑別診断として、月経前症候群、月経困難症、精神疾患・身体疾患の月経前増悪がある。多くの精神疾患で月経前増悪が報告されているため、精神疾患の女性に対して、月経前の症状の変化を聞くことは重要である。