日本は近世以前は中国、近代以降はヨーロッパ、第二次大戦後はアメリカと、歴史上常に大きな文明の周辺に位置していましたが、それゆえに独自の価値観を生み出してもいます。日本美術に見出される周辺故のオリジナリティの探究をテーマに、日本絵画の様々な局面で見られる素朴な表現や、円空の作仏や白隠の禅画などの従来軽視されがちであった江戸時代の宗教美術について研究しています。