pp.77-86
沖縄の地域再生におけるスピリチュアリティを用いた新たな文化表象創出の動きについて、南城市の事例をもとに考察した。その結果、沖縄の精神文化に関心があり、自己のスピリチュアリティを探求していこうとする県外地域の人々が、セーファーウタキなどの沖縄の聖地をパワースポットとみなし、そこに訪れることで自身のスピリチュアリティを高めようとしているのに対し、行政側もその傾向をさらに促進・強化する政策を打ち出していること、また、地元住民も自身の住む土地がスピリチュアリティの高い聖地であるとみなすようになるなど、スピリチュアリティを用いた観光化の動きが地元のアイデンティティや文化表象の形成に寄与していることを明らかにした。