本稿では「聖地のパワースポット化」に焦点を当て、伝統的聖地が観光化により外部に開かれていく諸相を、セーファーウタキ(斎場御嶽)のある沖縄県南城市におけるフィールドワークにより明らかにすることを試みた。その結果、南城市はスピリチュアリティと従来の民俗宗教を接合させ、沖縄的宗教文化要素の一つである聖地巡拝慣習を活用しながら、新たな聖地巡拝文化を生み出し、「霊威の高い、パワースポット南城市」というイメージ創出をおこなっていることが明らかとなった。従って、「聖地のパワースポット化」は、ある場所をめぐるイメージの再表象戦略を促すと結論付けた。