危機とコミュニティ―沖縄および東北地方の事例から―
社会デザイン学会
Vol.7
社会関係資本が蓄積されてきた伝統社会の危機対応を明らかにするため、沖縄および東北地方の事例を考察した結果、沖縄には返労義務のない「コールク」といわれる相互扶助があること、また、福島県いわき市常磐には「一山一家」という助け合いの精神および「世話所」などの相互扶助システムがあることが分かった。また、沖縄や東北地方には伝統的な民間巫者による危機時の精神的ケア・システムが存在し、特に口寄せという死者の語らいの場面が現代社会においても特に災害時には人々から切望されていることが明らかとなった。