本稿では地域を活性化するうえで地元企業はこれまでどのような地域貢献を行ってきたのかを明らかにするため、群馬県長野原町における老舗造り酒屋、浅間酒造の地域貢献史と現在の地域貢献活動を事例として考察した。その結果、浅間酒造は地元の老舗企業としてこれまで多岐にわたる地域貢献活動を実施し、現在もまた酒造納涼祭や休耕田を借りての酒田づくり等を通して地元に大きな貢献をしていることが明らかとなった。また、今後望まれる地域貢献は、地域で唯一の製造業であるという強みを生かし、地域の人々と協力しながら地元の人が誇りとするような地域ブランドを確立していくことであると提言した。