二人称から三人称、そして一人称の死へ-沖縄におけるエンディング・ツーリズムをめぐって-
観光コミュニティ学部紀要 第5号 跡見学園女子大学
第5号
pp.75-88 現在、沖縄に憧れる県外出身者がエンディング・ツアーに参加し、沖縄で海洋散骨の模擬葬を体験するという動きがみられる。これは、戦後の沖縄観光が、慰霊観光という自分の親兄弟や親戚といった「二人称の死」を弔うことから始まり、次第に自分とは関係ない他者である「三人称の死」を修学旅行での平和学習で学ぶことに取って代わり、現在はまた新たに自らの死のあり方を考え選択する「一人称の死」の観光が、死生観の変化により出現したことを明らかにした。