巫女と信仰
新谷尚紀編 『講座日本民俗学2 不安と祈願』 朝倉書店
本稿では、日本における巫女の研究史を概観したうえで、今後の巫女研究の新たな展開として、第二次世界大戦や東日本大震災、COVID=19下などにおける巫女の危機対応を取り上げ、巫女が災害時に口寄せなどで死者との語らいの場や時間を遺族に提供する役割を負うことから、今後巫女の危機時における助力や共感性、死生観、世界観などを課題とする、実践的かつ哲学的な研究が益々重要となってくると論じた。