信仰と振興のはざまで―沖縄における洞窟の新たな活用をめぐって―
日本橋学館大学 人間社会専攻記念論文集
pp.1-12 本稿では、沖縄にある洞窟の酒蔵としての活用法をめぐる寺院側と酒造側の齟齬に焦点をあて、洞窟信仰と地域振興や観光との間に生じた葛藤を分析した。その結果、古くから聖地とみなされてきた洞窟を、地域振興や観光など世俗的側面をも担う場所として活用することを避ける傾向がある一方で、信仰対象外の洞窟がユニークな活用法のもとで活性化する、あるいは新たな聖地になる場合があることが明らかとなった。