大東文化大学経営論集への出筆。少子高齢化の中で日本経済が先細りする現在、我が国は観光立国を宣言し政府を挙げて観光による交流人口の拡大による経済の活性化を目指している。さらに観光は地方活性化の切り札としても注目されているが、首都圏に集中している外国人観光客を地方に分散させるためには新たな観光資源の開発に迫られている。こうした環境下の中で近年注目を集めているのが全国に存在する社会インフラを観光資源化し新たな観光ニーズを創造する「インフラツーリズム」の存在である。本稿では筆者が群馬県八ッ場ダムを舞台に取り組んだ産官学連携による地域創生プロジェクトが果たした成果と役割、さらには筆者が研究を手掛けている最新の「インフラツーリズム」の事例をもとに地域における今後の観光振興と地域活性化の在り方を取りまとめた。