パートタイム労働者への社会保険適用問題
跡見学園女子大学マネジメント学部紀要、第16号
近年、パートタイム労働者が増加し、しかも、その基幹化が進んでいる。こうした現状を踏まえ、パートタイム労働者に対して社会保険の適用を拡大する法改正が成立した。しかし、この法改正は、事業主団体の反対に配慮した結果、適用対象の拡大幅が十分ではない内容となっており、社会的弱者の保護、社会的公正を実現する観点から問題がある。例えば母子家庭の母のように、パートタイム労働者には、既存の社会保障の枠組みからは排除されやすい社会的弱者が少なからず含まれているため、その是正は特に重要である。