大規模な公共施設の立地問題について—我が国立法と英米における考え方との相違—
大浜啓吉編『公共政策と法』早稲田大学出版部
わが国には、ダム、発電所など大規模な公共施設の立地を円滑に 促進するため、施設の周辺地域の整備を行う法律がある。英国の 計画法制は、計画の策定において地方政府に主たる権限がある。 米国では、収用事業者の裁量権の行使に濫用がないかどうかを司 法審査に委ねるという考え方が採られている。我が国の計画法制 は、英国に倣った部分が多いが、開発権の公有化、計画の実質的 な情報公開については、現在の我が国法制には取り入れられてお らず、今後の検討課題である。