地方自治体とまちづくり—志免町給水訴訟を例として—
大浜啓吉編『都市と土地政策』早稲田大学出版部
給水規制規則を制定した事例に見るように、地方自治体に国の権 限を移譲することで現在のまちづくりの問題が全て解決するわけ ではない。地方自治体における住民参加手続に関しては、以下が 指摘できる。多くのまちづくりは、計画に基づいて行われるが、 計画によるまちづくりにおいては、事後的な司法救済が十分に機 能しない。行政機関が計画を策定する際には、広い裁量が生じ る。この裁量を統制し、計画の合理性を担保するためにも、事前 の計画決定に関する住民の参加は必要不可欠である。