近年、子どもの食生活に対する支援の重要性が注目されている。「子ども食堂」が多くの人の支持を得て、各地で草の根的に広がっている。本稿では、子どもの食生活の中で学校給食に着目している。第1章では、学校給食と子どもの貧困に関わる二つの問題として、公立中学校での完全給食未実施など学校給食の実施の地域格差の問題、給食費未納問題をどう扱ったらよいかという問題について考えた。第2章では、公立中学校で完全給食が実施されていない自治体がある一方、給食費を無償化する自治体が増えていることについて述べた第3章と第4章では、給食費未納を保護者のモラルの問題ではなく子どもの貧困のシグナル捉えるべきであることについて述べた。第5章では子どもの食のセーフティネットである給食の意義について考え、学校給食と子どもの貧困に関する今後の課題についてまとめた。