子どもの貧困

子どもの健康科学Vol.21　№1

子どもの健康科学会

Vol.21　№1

2020年3月、新型コロナウイルスの感染症対策のため、学校の臨時休業が急きょ要請され、学校給食もなくなった。 格差は、災害をはじめとする非常時に、より深刻に現れる。公立小中学生の15.2％が就学援助により学校給食費の支援を受けている。 就学援助制度は生活保護制度と比べても一般に知られておらず、家庭が使えていない場合がある。 これらの課題を解決するためには、制度の一層の周知、支援予算の確保、スクールソーシャルワーカーなど受給を支援する人材の配置などが考えられる。 しかし、「周囲の目が気になる」というスティグマの存在には、就学援助制度が申請による給付であるという制度の限界が関係している。 近年、全家庭を対象とする子育て支援としての給食費補助制度を設ける自治体が増えている。 近年、就学援助ではなく、全家庭の給食費補助制度を設けている自治体 が増えている。給食費は年間4万円を超え、子どもの学校に関する出費のうち相当な割合を占めている。 給食費の無償化も広く検討されるべきである。