小中学生の生活に占める学校給食の役割に注目して、コロナ禍など非常時において子どもの間の格差を小さくし、食生活を守る方策について考える。コロナによる臨時休校下においても、学校給食には子どもの食格差を
小さくする機能があることが顕在化した。コロナ・災害などの状況下では、給食を提供できない・給食費を払えないという状況も生じ、影響の長期化に伴い子どもの生活の格差も拡大する。給食費を補助する就学援助制度には、予算の制約・不十分な制度周知などにより自治体間格差が大きいという問題がある。学校給食の無償化は、選別主義による就学援助による支援を、普遍的な現物給付に転換する効果がある。