学術論文

基本情報

氏名 森 まり子
氏名(カナ) モリ マリコ
氏名(英語) mariko mori
所属 文学部人文学科
職名 教授
researchmap研究者コード
researchmap機関

名称

「アメリカ外交における「自由」と「介入」━━戦間期と第二次大戦期に関するH.フーヴァーの著述を手がかりに━━」

単著、共著の別

単著

年月日

2017/03

発行所等

『跡見学園女子大学 人文学フォーラム』第15号

出版社

跡見学園女子大学

巻・号

第15号

開始ページ

99

終了ページ

127

査読の有無

概要

フーヴァー大統領の回想録『裏切られた自由』(Freedom Betrayed)等の著述を主な素材とし、戦間期・第二次大戦期の米外交における「自由」と「介入」について考察した論考。「イスラーム国」とアメリカの対峙によって生じている危機の根源を明らかにするという筆者の学問的課題の一部をなす。アメリカは何故「自由」を掲げて他地域への軍事介入を繰り返すのかという疑問を念頭に、今日のアメリカの対決的なイスラーム外交の根底にある精神の歴史的起源を、戦間期・第二次大戦期の米外交における「自由」と「介入」の位置づけを考える事により解明しようとする。「自由の為の介入」という概念自体は米西戦争に遡るが、これを構築し直したのがウィルソンとローズヴェルトであった。この「自由の為の介入」の精神が<反イスラーム>精神と合流したところに、中東への軍事介入を続ける今日のアメリカの集団的心性がある。またアメリカの<反イスラーム>は古いヨーロッパ的偏見のみならず、反共精神を生み出したのと同じ「自由主義を絶対化する自由主義」、すなわち近代的・特殊アメリカ的精神に淵源を持つのではないか、というのが本稿の暫定的結論である。