2021年に国内の大学生167名を対象に、日常的な韓国語の認知場面、SNS における韓国語の認知・使用、韓国語の語彙の借用についての意識を探るため、探索的な Web 調査を行った。その結果、第1に、日常生活では多様な場面で韓国語を認知しているが、特に「K-POPを聞くとき」「商品(化粧品・食品など)のパッケージで」「SNS を使うとき」といった場面で韓国語を見聞きすることが多いことが明らかになった。第2に、主要な SNS の中で韓国語に受動的に認知する SNS としてはInstagram・Twitter が優勢である一方、韓国語を自発的に使用する SNS としてはInstagram・LINE が優勢であることが確認できた。第3に、サービス内のどのような場で認知・使用が多いかについてみると、Instagram と Twitter では主な機能ともいえる「投稿」を通じた認知・使用が多く見られた。LINEでは、認知は自己の属性についての情報提供の場で多い一方、使用はトーク画面上でのコミュニケーションの場で多かった。第4に、調査した語彙の中では食文化に関する語彙(「キムチ」「チーズタッカルビ」「チーズハットグ」「タルゴナコーヒー」など)の認知率が高く、若年層でこれらの食文化に関する語彙が借用語としてかなり定着していると考えられる。定型的な挨拶表現も認
知率が高く、借用表現として定着していることが確認できた。映像文化に関する俗語「モッパン」や化粧に関する俗語「オルチャンメイク」も半数以上が認知しており、定着しつつあることが明らかになった。