Language shift, code-switching, and linguistic change in a contested borderland: A Japanese-Korean-Russian multilingual community in Sakhalin
International Journal of Bilingualism
本研究は、サハリンの日朝露の三言語が使用される言語共同体における言語シフト、コードスイッチング、言語変化を分析するものである。政治体制の変化、人口動態の変化、言語・方言の構造、話者の言語能力が、二言語併用、言語選択パターン、多言語使用の実践にどのような影響を与えるのか考察した。データとして、日系・朝鮮系・日朝系の話者16名(2世~4生)における450のコードスイッチングの事例を用いた。マクロレベルの分析では、朝鮮系話者には典型的な3世代の言語シフトパターンが見られた一方で、日系話者には見られないことが明らかになり、人口構成や制度的支援の変化が急激な言語シフトを引き起こす可能性があることが示された。二言語併用は、当初は構造的に安定しているが、最終的には不安定になる。すなわち高位言語は相次ぐ植民地支配勢力に取って代わられる一方、低位言語は第3世代まで存続し、その後言語シフトを促進する。ミクロレベルの分析では、類型学的に類似した言語ペア(日朝)と類似していない言語ペア(露日、露朝)の双方にMyers-Scotton(1993)およびPoplack(1980)の枠組みが適用可能であることが確認された。