「書き手の語彙選択が読み手の理解に与える影響-文脈の中での意味推測を妨げる要因とは-」
『日本語教育』第140号、日本語教育学会
本稿では、作文添削支援システムXECSを用いて収集した、複数の添削者による作文添削データを基に、日本語学習者の語彙選択が読み手の理解にどんな影響を与えるのかについて考察した。学習者作文における語彙の誤りの多くは、「コロケーションに問題がある」ものであったが、これは文脈を利用して意味推測が可能である。意味推測を真に妨げるものは、単語同士、フレーズ同士の関連性が明確に示されておらず、解釈の可能性に複数のものがあるものであった。(pp.48-58)