国内で生活する外国人学習者に対する、生活場面での書きことば能力向上のための支援が必要である。そこで、生活場面での書きことばについて、日本語母語話者が、どんな評価を行い、評価にどんなばらつきがあるのかを明らかにしようとした。このため、学習者が日本語で書いた「謝罪文」10編を母語話者に読んでもらい、順位付けとインタビュー等による意識調査を行った。その結果、人によって評価結果が大きくばらついていた。この事実は、生活場面における言語運用に対する評価が非常に個人的・恣意的な理由により行われてきたことを示唆する。(pp.33-48)