日本人と日本で生活している外国人が円滑なコミュニケーションを行うためには、互いの日本語をどのように評価しているかを問い直すことが重要である。本稿では、そのような評価研究の第一歩として韓国人日本語母語話者のメール文における「断り」が日本語母語話者のそれとどのような共通点・相違点があるのかを明らかにすることを目的とするものである。「生活場面で必要となる日本語書きことばデータ」を用いて断わりに関する課題文を分析した。その結果、韓国人日本語学習者の断り行動は、日本人のそれと比べて全体的に間接的・儀礼的であるという点が明らかになった。(pp.259-280)