現代は,〈豊かさ〉の意味が多様化し,重視する〈豊かさ〉は人によって異なる。本稿では,質問紙調査の定量データを利用して,重視する〈豊かさ〉によって〈望む生活〉が異なり,消費分野による支出意欲の差が生じていることを実証し,現代の消費市場を構成する3つのタイプの消費者を見出した。時間消費を中心に消費に積極的な消費者(タイプⅠ)と,消費全般に抑制的な態度を持つ消費者(タイプⅡ)であり,タイプⅡは,“資源が少なく,経済面の不安があって消費に抑制的な消費者(タイプⅡ-1)”と,“資源が少ないわけではなく,経済面の不安が強いわけでもなく,今のほどほど幸せな身の丈の生活を続けるために,消費に抑制的な消費者(タイプⅡ-2)”に分けられる。(本研究はJSPS科研費JP15K00732の助成を受けた)