地方創生における地域防災のあり方に関する研究―防災・減災マネジメントの観点から―
学会誌「地方政治研究・地域政治研究」
第3号
これまでの大震災を振り返ると、関東大震災で最も多くの人命を奪ったものは火災であった。当時は木造建物が圧倒的に多く、耐火建物が1%程度であったと推察される。このため、延焼火災が拡大した。阪神・淡路大震災では建物倒壊であった。東日本大震災では津波による水死が9割だ。もっとも、その後の震災関連死が3千人以上にものぼる。 これをいかに防ぐかが地域防災計画の総則に掲げるべき目標、すなわち防災・減災戦略の柱になる。地域によって火災、建物倒壊、津波の脅威のレベルが変わるので、最優先の対策も変わってくる。