本稿は、住民が主体的に取り組む地区防災計画作成が地域コミュニティ強化にどのように関連しているかを考察することを目的としている。このため、地域防災計画を横引きするだけでなく、地域特性や住民のコミュニティ状況を踏まえて、具体的活動計画を創出したり、地域防災計画には規定されていない空白域を補完したり、ガイドラインづくりに取り組んだ事例を抽出した。事例の地区では住民インタビューやアンケート結果により地域コミュニティ力を高めていることが明らかになった。地区防災計画は自らルールを定めて自らルールを守る自治の中核概念を具体化する。このように自治力を高める取り組みが防災だけでなく、地域コミュニティの活動全般に良い影響を与える。