誰のためのデザイン?:オメガ工房の経営理念と製品デザインに関する考察
『デザイン史論』デザイン史フォーラム
第1号
1851年の万国博覧会を経て、デザイン改革運動と機械化の二つの傾向のなかで、芸術家工房の経営と実践は時代に逆流した活動に見えるが、そのなかで本稿ではオメガ工房に注目し、短期間で経営破綻を招いたとされるロジャー・フライの素人的経営方針のなかに実は次世代のイギリスのデザイン産業に受け継がれていく「商売」に適った理念が隠されていたことを明らかにした。