超大国・米国の外交・安全保障政策を切り盛りする政権スタッフの中で、最も難しい立場に置かれるのは、国家安全保障担当大統領補佐官(以下、補佐官)だ。国務長官、国防長官らの間に立って、ホワイトハウスの政策調整を行い、黒子役として大統領に的確な政策選択肢を提示する。言うは易く、現実には力の強すぎる補佐官が登場するたび、政権内のパワーゲームと軋轢を引き起こしてきたポジションでもある。米上院の承認を必要としない補佐官の影響力の大きさは、各政権によって様々であり、その力量や大統領との個人的近さに左右されてきた。