自立支援とは、本人の意思決定権を尊重し、ADLとQOLを共に維持回復できる環境を整備することであると「高齢者福祉三原則」に謳われている。我が国では介護保険法に理念として掲げられているものの、実際に提供されるサービスでは職員都合の一律提供や子供扱いが問題になり、高齢者の尊厳が損なわれることも少なくない。そこで本研究は、介護サービス内容にも三原則を明確に反映させるべきという問題意識のもと、まずは通所介護事業所での実現のさせ方を探った。その結果、一つの方法として利用者が内容を選択・決定する方式のレクリエーション導入が効果的であることを見出した。この方法を導入することで、職員は利用者への共感力や気働きというホスピタリティを獲得でき、ホスピタリティに基づく利用者対応が、不足しがちな「自己決定」や「自己能力活用」の実現に寄与することが明らかとなった。