本報では、インクルーシブ公園整備における留意点を整理することを目的に、2023年3月埼玉県三郷市に開園した「なかよしひろば」の構想から開園までの経緯を、遊具や設備の選定と利用者評価に注目して分析した。設計や運営方法の検討には、三郷市の他、筆者や筆者が指導するゼミの学生、三郷市内の障害児支援団体関係者、障害児の保護者らが参加した。多様な立場から意見を交換して、障害の幅広さや特性に応じた支援の方法などに対する理解に努め、提示された意見の半数以上が最終的なプランに反映された。その結果、障害特性に合わせた遊びの選択と子どもの安全確保が可能となっただけでなく、引率者が安心して見守ることができる空間が完成した。一方、遊び方が分かりにくい、子どもだけでは動かしにくい、と指摘され、積極的な遊びが観察できなかった遊具もあったことから、遊具選定時には体験会を実施するなどして、遊びやすさや動かしやすさを実際に確認した上で取捨選択することの重要性が示された。