米国ではESOP(Employee Stock Ownership Plan:従業員株式所有制度)は「従業員所有事業」とほぼ同義として取り扱われており、採用企業の4割が過半数従業員所有会社となっている。その仕組みは「分かち合いの資本主義」と呼ばれており、企業の持続性、従業員の事業参画、全ステークホルダーへの貢献、ガバナンスが設計に組み込まれたものとされている。本稿では確定拠出退職金・年金としてのESOPの構造的側面を概観し、その上でESOPの従業員所有事業としてのメカニズムと運用的側面を検討する。