PP.21-34.
新井 雅・庄司一子
心理専門職と教師が協働的援助を進める中で、双方のアセスメントにどのような変容が生じ、どのような影響を相互に与え合いながら事例理解が発展するのかを質的調査研究(面接調査)を通して検討した。その結果、心理専門職も教師も相互の専門的視点によって様々な影響を与え合っており、特に、相互の専門的視点の相違に伴う葛藤体験が生じつつも、事例援助に役立つ他職種からの視点や考えを柔軟に取り入れ、かつ自身の専門的視点も安定的に保持することで、両職種の視点を混合した理解・方針の発展につながる可能性が示された。