PP.37-51.
新井 雅・庄司一子
性別、年齢、障害、国籍、人種等に起因する差別や偏見等の問題が生じている社会的現状の中、人間社会における「共生」、および子どもたちへの共生教育は重要な課題となっている。本研究では、主にステレオタイプ、偏見、差別に関する様々な研究(人格心理、認知心理、集団心理など)を概観することを通して、共生社会や共生教育の展開における心理学研究の貢献可能性について検討した。その結果、ステレオタイプや偏見、差別等を発生・維持させる人の認知メカニズムや心理的特性を踏まえた共生教育の実践が必要であることが示された。(※科学研究費助成事業 基盤研究(C)『「共生」を実現する教育の実証的検討』(代表:飯田浩之)の一環)