本研究では,OECDのEducation 2030プロジェクトおよび日本の学習指導要領において子どもたちに育むことが目指されている資質・能力(コンピテンシー)を概観した上で,それらの資質・能力(コンピテンシー)の観点から,「共生」を志向する児童生徒の育成に関する検討を行うことを目的とした。これらの資質・能力(コンピテンシー)に関連する議論では,心理学分野で検討されてきた概念や研究知見も多数取り上げられている傾向にあることから,主に心理学的な立場に基づいて「共生」志向に関わる資質・能力(コンピテンシー)の育成について考察した。