著者:新井 雅・余川茉祐
本研究では,小学生を対象に,自殺予防の保護因子としての援助要請に焦点をあて,それらに関わる態度やスキルの向上をねらいとする心理教育プログラム(SOS の出し方・受け止め方に関する教育)の効果を検討し, 今後の自殺予防教育への示唆を得ることを目的とした。対象となった小学5,6年生111名のデータを用いて解析を行った結果,援助要請スキルや友人に対する援助スキルなどにおいてプログラムの肯定的な効果が示された一方, 友人に対する被援助志向性の一部の下位尺度では男子児童と女子児童で効果の及び方に違いが生じていた。