小学生を対象としたSOSの出し方・受け止め方に関する教育の実践-被援助志向性,援助・被援助のスキル,抑うつ症状に及ぼす効果の検討
発達心理学研究
35巻2号
本研究では,自殺予防教育の一環として,小学6年生を対象にSOS の出し方・受け止め方に関する心理教育プログラムを実践し,その効果を検討することを目的とした。効果検討にあたって,プログラムを実施する実践群と,効果測定終了後に同一のプログラムを実施する待機群を設定した。実践群54名と待機群64名の児童のデータを用いて解析を行った結果,待機群と比べて,実践群の女子児童において,プログラム実施前後で援助要請スキルが有意に向上し,抑うつ症状が低減していた。