A Portrait of the Artist as a Young Manにおける自己と社会の関係
佛教大学大学院紀要
第28号
『若き芸術家の肖像』の主人公は、自分の内面だけに興味を持ち、社会との間に差異を感じ、自己をマイノリティとして周縁化していた。しかし芸術創造に目覚め、自らの使命を知ることによって社会における自己の位置づけを確認した彼は、社会に目を向け積極的にかかわるようになる。この変化をもたらしたものを、作品が書かれた20世紀はじめのアイルランドというコンテクストの中で読み解くことを試みた。