A Portrait of the Artist as a Young Man における文体 ―小説の可能性―
佛教大学大学院紀要
第27号
『若き芸術家の肖像』において、ジョイス芸術の目的である美の創造はどのように成就したのか、その文体的特徴を究明した。また「意識の流れ」の手法が文体に与えた影響もあわせて考察した。ジョイスは言葉の繰り返しによってリズミカルな短文を生み、文体に音楽性を帯びさせた。音楽的な文体は作品の随所に見受けられるが、これはジョイスの顕著な文体的特徴であろう。